立命館大学 衣笠キャンパス「以学館」にMartin Audio CDDシリーズを中心とした音響システムを導入
Danteを活用した柔軟なシステム構成により、ホール間連携や配信・Web会議にも対応。メインスピーカー「CDD12」の広い指向性と明瞭なサウンドに加え、FIRフィルターを用いた音響調整により、空間全体で自然で均一な音場を実現しています。
「101ホール」と「102ホール」の音響映像設備改修
学問と文化・芸術の街、京都。その西北に位置する立命館大学衣笠キャンパスは、金閣寺、龍安寺、仁和寺、そして等持院などの名刹(めいさつ)に囲まれ、学問・研究の場にふさわしい静かな佇まいの中にあります。
内閣総理大臣を務めた西園寺公望の「私塾 立命館」を発祥とし、1900年に中川小十郎によって創設された歴史ある立命館大学。その衣笠キャンパス内にある「以学館」は、産業社会学部の教室やコモンズ、事務室のほか、学生のアメニティー施設として、食堂や多目的ホールなどを有しています。
2021年3月、この以学館にある「101ホール」と「102ホール」の音響映像設備改修が行われ、Martin Audioの「CDDシリーズ」が導入されました。

誰もが使える操作性と、プロの要求に応える機能性の両立
今回の改修では、「学生や教職員が手軽に使えること」と「プロの現場にも応えられる本格的な機能」の両立を目指しました。その解決策として活用されているのが、オーディオネットワーク規格「Dante」を中心としたシグナルルーティングです。
ステージ袖の音響ラックにはSymetrixのDSPが設置され、ステージ側のほとんどの音声入力がここに集約されます。同じくステージ袖にあるタッチパネルを使うことで、音響システムに詳しくない利用者でも、ワイヤレスマイクや有線マイクのレベル調節、資料提示、デッキ再生などを直感的に操作できるよう構築されました。
さらに、大規模なオペレーションが必要な催しでは、調整室のミキサーにDante回線が分岐され、ミキサー経由での高度な操作も可能となっています。
空間の隅々まで届く「聞いていて疲れない音」
メインスピーカーには「CDD12」が採用されました。その広い指向性により、ステージの至近距離でも明瞭な拡声を実現しています。また、ホールには奥行きがあるため、後方の2階席バルコニー下には補助として「ACS-55T」が設置されました。
音響調整にあたっては、メインスピーカーのチューニングに対して、このシーリングスピーカー(ACS-55T)にFIRフィルターを用いて位相特性を合わせるという、先進的なアプローチも取り入れられています。
さらに、「101ホール」と「102ホール」はDante回線で結ばれており、正面映像の共有も可能です。これにより、一方の会場で行われているイベントを、もう一方のホールへリアルタイムで共有できるようになりました。双方のホールの登壇者がワイヤレスマイクで話せば、全く違和感なく会話ができるほどのクオリティです。また、PCにUSBケーブルを1本接続するだけで、配信やWeb会議ソフトを介してホール側と双方向のやり取りを行うことも可能です。
テクノロジーの力で、学生たちに「晴れの場」の音表現を
立命館大学の倉科氏は、今回の改修について次のように語ります。
「コロナ禍以降、ソーシャルディスタンスをキープしなければならない状況が続いています。しかし学生たちには、なるべくリアルな質感を感じられる場で学んでほしい。テクノロジーの力で少しでもそれに近い状態が作り出せるならという思いで、今回の設備改修を行いました」
そして、ポストコロナの未来を見据えながら、こう続けます。
「Martin Audioのスピーカーは、正確で豊かな表現ができる点が大きな魅力です。以前、別のキャンパスのカンファレンスルームで使用した際、一般的な教室では実現しにくい『晴れの場(ハレの舞台)』という雰囲気にふさわしい音表現に成功し、高い評価を得ていました。
今回のホールは、式典や学会のほか、演劇、ダンス、伝統芸能といった学生たちの幅広い表現活動で使用します。そのため、スピーチはもちろん、Webから送り込まれる音声や音楽といった多様なソースを、癖が少なく正確で豊かに、そして『聞いていて疲れない音』として表現することを狙いました。また、観客同士が距離をとる必要があるため、なるべくスイートスポット(良い音を聴けるエリア)を広げたいという観点から、FIRフィルターを活用した音響チューニングを行っています」

事業内容:内閣総理大臣を務めた西園寺公望の「私塾 立命館」を発祥とし、1900年に中川小十郎によって創設された歴史ある大学
所在地:京都市北区等持院北町56-1