先日、ロンドン南部のBrixton Academyで行われた米ロックバンドGood CharlotteのUKツアー公演において、これまで多くの賞に輝いてきたMARTIN AUDIOのラインアレイスピーカー・MLAが導入され、最高のステージを演出しました。この公演にMLAを提供したのはStylus Production。MLAシステムは、バンドたっての希望もありこの公演に採用されました。

Stylus Productionは本ツアーのために自社で所有するコントロール／ステージ用機材一式を投入。現場のPAを担当したのは、MARTIN AUDIOパートナーとしてSimon Honywillとの協力関係も長いRG Jones Sound EngineeringとCapital Soundの2社で、ツアーのインフラ設備やプロダクションマネジメントサービスの面でもツアーをサポートしました。
UKツアーはグラスゴーのBarrowlands、サウザンプトンのO2 Guildhall、そしてBrixton Academyを巡り、それぞれ求められるPA構成もオプティマイゼーションも異なる各会場に対応するためにMLA／MLX、MLA Compact、MLA Mini、そしてフィル用のDD12といったMARTIN AUDIOスピーカーが駆使されました。

Stylus ProductionのMDであるSam Thomas氏はMLA採用の経緯を振り返って、皆の賛同によって非常にスムーズに決まったと語ります。「これまでも同じようなサイズの会場でMLA Compactを使ったツアーの数々を体験してきて、社内の皆がすでにシステムの素晴らしさは知っていました。だからより大きな箱でどんな公演を実現できるのか、それを早く見たくてウズウズしていましたね。」　
また今回のツアー会場については、「音響的に非常に難しい会場がいくつかありました。複雑な造りの会場で、音の明瞭さを損なわずに垂直方向への広がりをコントロールするという点において、MLAを選んだのはまさに正解でした。」と語り、そしてツアーの成功について次のようにコメントしました。「それぞれに固有の特徴がある会場でツアーを成功させることができたのは、会場でのオプティマイズをはじめ、システムを担当してくれたSimon　Honywill氏の素晴らしい仕事によるところが大きいと思います。特にBrixtonの公演はすごかったですね。多くのメディア等でその音のクオリティーが取り上げられました。」

　Brixton公演で使用された機材は、片側11本のMLAと1本のMLDダウンフィルをメインに、MLXサブウーファーが左右に各４台（2段スタック×２）、フロントフィルにはMLA Compactが４本、その他にもMLA Mini、DD12、DD6といったスピーカーがサポートとして用いられました。Thomas氏はこの公演について、「Brixtonは下手をすると、洞窟のようなまとまりのない音になってしまいがちな会場なんです。でも今回は違いました。パワフルで突き抜けた音を実現できたのは、アーティストの素晴らしいパフォーマンス、ミックス、PAシステム、そしてSimonによるオプティマイゼーションが揃ったからです。またサブに関していえば、はるかに想定以上のヘッドルームを確保することができました。」と大満足の結果を語りました。

　Stylus ProductionのテクニカルディレクターOliver Weeks氏は、MLAの三つの特徴といえばという質問に対し次のように即答します。「パワー、コントロール、透明性ですね。ヘッドルームに関していえば驚くほどだし、問題のある壁面を「ハードアボイド」できるというのは貴重ですね。会場の音の反射をきらいつつ、境界エリアまでの均一のカバーを実現できるというのもMLAならではの特徴と言えます。」
今後のStylus Productionsについて同氏は、様々なプロジェクトにおいてMLAが第一の選択肢になることは間違いないだろうと語ります。「さらに言えば、もしそれが音響的に騒音の境界エリアなどの懸念の多いような会場であれば、MLAはそれこそ唯一の選択肢になるでしょう。」

　公演でFOHを務めたバンド付きエンジニアであり、過去にもStylus Productionと組んだ経験のあるJim Carmichael氏は、これらの意見に全面的に同意し、「前にBrixton AcademyでMLAを使用して以来、MLAを使ってGood Charlotteのための100％ロックなステージをやりたいとずっと思っていました。結果にはもちろん満足しています。」とのコメント。またMLAの音について、以下のように締めくくりました。「普段から私自身、そのままの音というよりパンチがあってクリアな音を追求しているんです。MLAのHIの非常にクリーンな音はまさにそれに応えてくれましたし、LOWは超低音域までよくコントロールされていました。」