伝説のスペシャル・ショーを支えたMLAコンパクト
「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」は、1998年のオフ・ブロードウェイの初演以来、ニューヨークで熱狂的な支持を集め、その舞台で主演を務めたジョン・キャメロン・ミッチェルの監督・脚本・主演による映画は世界的にも高く評価されました。日本では2002年の映画公開後、様々なプロダクションによって日本人キャストによる翻訳上演が行われてきましたが、この度、作品の生みの親ともいえる、ジョン・キャメロン・ミッチェル本人がヘドウィグとしてパフォーマンスを行うという特別公演が東京と大阪で開催され、それぞれの公演でMLACがメインスピーカー、舞台上ではLE100とLE200がモニターとして公演を支えました。
東京は、招聘ミュージカルを多く行っているシアターオーブ、大阪はコンサートからミュージカルなど幅広い公演を行うNHK大阪ホールで行われました。スペシャル・ショーと銘打たれた公演は、客席から見える形でミュージシャンが舞台の両側に位置し、原作のストーリーをモチーフにしたコンサートショーのような形で楽曲が披露されていきました。ステージ上は5人のミュージシャンと、ヘドウィグを演じるミッチェル氏、そして「片われ」を務める中村中さんのみという編成で、派手な演出があるわけでもなく、楽曲のもつ力に頼る部分が大きい公演となりました。
音響は、東京・大阪公演共に、MLAユーザーのedithgroveがプランとオペを担いました。戸田雄樹氏がメインのオペレーションを行い、ステージモニターは岡安智章氏でした。
メインスピーカーはMLACを左右に6本ずつ、2台のDSXサブウーファーの上にグランドスタックする形で客席全体を狙いました。また、ステージ上には舞台の一番客席側のところにCDD同軸ドライバーが採用された最新のウェッジ、LE100を4台並べ、ミュージシャンのところには同じくLEシリーズから15インチサイズのLE200をそれぞれ2台ずつセットしアウトのサウンドは全てMARTIN AUDIO製品で揃えられました。
公演後の戸田氏のコメントをご紹介します。
「MLACを選んだのは、とにかく使いやすいシステムということです。東京のオペは1階席の一番奥で行いましたが3階席の音にも違和感ないサウンドを提供することができました。」
演目の性格上、MLAの利用も候補にあったそうですが、音楽監督からも納得され、NHK大阪ホールでは東京公演と比べて10dbほど下げても遜色ないくらい、よく鳴っており、客席はずっとスタンディング状態だったほどの盛り上がりを見せたそうです。もう少し、戸田氏の言葉を続けます。
「途中でHFのドライバーが飛んでしまうアクシデントもあったけれど、なんとかカバーして5公演をやりきりました。新しいモニターもミュージシャンからとても評判が良かったです。軽いので女性スタッフにも喜ばれると思いますよ」
初演から20年を経た今も世界各地でミュージカルの公演が続く中での原作者で主演を務めた本人の出演公演ということで、チケットは即日完売、追加公演や立見席もソールドアウトというとても人気のあるものでした。既に国内でも劇場やホールといった固定設備での導入も進んでいますが、複数の会場で行われるツアー公演にもオプティマイゼーションによって柔軟に対応ができるMLACがこうした公演の支えになれば私たちも光栄です。