Martin Audio史上初、コンスタントカーバチャーアレイと3Dシミュレーションソフトウェアを発表
Martin Audioは同社で初となるコンスタントカーバチャーアレイであるTORUSと、新しい3Dシミュレーション最適化ソフトウェアであるDISPLAY 3のリリースを発表しました。どちらも2月16日のオンラインイベントにて正式にお披露目されました。
15mから30mの奥行の会場の場合、本格的なラインアレイが実用面や価格面においてニーズに合うとは限りません。しかしポイントソースではカバレージやSPLが十分にならないという場合があります。
TORUSは最適化されたカバレージ、SPLの実現に、コスト効率性を組み合わせて、そのギャップを完全に埋めるように設計されたコンスタントカーバチャーアレイです。
マネージングディレクターのDom Harterは次のように述べています。「これはただのコンスタントカーバチャーアレイではありません。TORUSは達成可能な音響コンセプトとパフォーマンスをさらに高めるために、3年もの歳月をかけて開発されました。」
「通常のコンスタントカーバチャーアレイは水平拡散特性が調整可能なものもありますが、拡散パターンが変更されたときに、音質やカバレージが均一でなくなることがあります。またミッドレンジのセンシティビティが十分でないと、ボイス帯域の明瞭度に大きく影響します。またはコムフィルターに悩まされることもあります。TORUSは根本的にこれらの諸問題を解決しています。」
TORUSの各キャビネットは柔軟な水平拡散パターン用に設計されており、独自のDynamic Horn Flare™を使用して、90°、60°、または75°(非対称)のいずれかを手動で設定できます。これによりウェーブガイドが移動してロックされるだけでなく、ホーンの接合部が回折上きちんと調整され、各設定で正しい形状と最適なパフォーマンスが確保されます。
Dynamic Horn Flare™はフロントグリルからアクセスできる機構によって動作するため、グリルのデザインはスマートに維持したまま、内部のドライバーを完全に保護しつつ、簡単で直感的に操作できます。
15°または30°の垂直パターンは、それぞれT1215とT1230の2つの別々のキャビネットタイプによって実現されます。これらのキャビネットは会場やカバレージの要件に合わせて組み合わせて使用することができます。
TORUSはミッド帯域のセンシティビティを高めるため、12インチのネオジウムドライバーの前面に取り付けられたフェーズプラグを装備しています。3つの1.4インチ高域ポリマードーム・ネオジウムコンプレッションドライバーのおかげで、より高いSPLで駆動した場合でも音響性能が損なわれることはありません。
今回のイベントで発表されたもう一つの主力製品DISPLAY 3は、Martin Audioのまったく新しいシミュレーション最適化ソフトウェアです。TORUSはこれを最大限に活用した最初の製品でもあります。
DISPLAY 3は、ライブエンターテイメントと固定設備プロジェクトの両方にとって強力なツールとなるように設定されています。Sketchupソフトウェアとシームレスに連携して、洗練された会場のモデリングを実現したり、よりシンプルな会場や形状の作成を可能にしたりします。 初期段階では、DISPLAY 3はDISPLAY 2からインポートされたラインアレイやTORUSのシミュレーションと最適化をサポートする予定です。そして追って、DISPLAY 3はすべてのMartin Audioラインアレイ、ポイントソース、シーリング、サブウーファーを組み込み、システム設計および結果予測ができる完全な自己完結型ソリューションとなります。
Harterは次のようにまとめました。「今回の発表で、会社の回復力と野心の両方を見せることができました。パンデミックの中でも研究開発投資を継続し、顧客に付加価値を提供し続ける企業には明るい未来があると信じ、率先してアプローチしてきました。TORUSの導入によりMartin Audioはより多くのアプリケーションで競争できるようになります。DISPLAY 3は設備やライブイベントでの作業を向上させる主力な3Dシミュレーションソフトウェアへと更に進化するでしょう。」
TORUSは4月から全世界に出荷開始予定、同様にDISPLAY3はその時点で一般にリリースされます。