ロジャーズアリーナの音響システム技術者Justin Sarris氏、Allstar Show Industriesのシステムデザイナー兼設備プロジェクトマネージャーのFred Michael氏、そしてMartin Audioのカナダ代理店Erikson Proからなるチームが、Martin AudioのCDD-LIVE8スピーカーを使用して、バンクーバーの象徴的なアリーナのプライベートスイートの音響設備をアップグレードしました。

この会場はバンクーバー・カナックスの本拠地で、18,190人収容できる世界で11番目に大きなホッケーアリーナです。エグゼクティブスイートとホスピタリティースイートと呼ばれるVIPルームを多数備えています。特別なClub 500では絶好の眺めと共にホッケー観戦と食事を楽しめます

アップグレードの経緯について、Sarris氏は説明します。「試合会場という性質上、このプラン以上にこのスイートに満足を満たすものは何もありませんでした。会場のメインPAはスイートの観客席の下から2列目までは届きますが、スイート自体に向けられてはいませんでした。多くの観客は会場を見下ろせるバーシートや、立ったまま観戦することを好むため、スイートルーム内ではオーディオのエネルギーやボルテージが途切れることがありました。もちろん新しいシステムの導入では下2列への拡声も改善しています。各スイートルームの音量はその部屋でも調整室から遠隔でもどちらでも調整できるため、個別に合わせることが出来ます。」

プロジェクト全体の拡大に関し、Fred Michaels氏は次のように付け加えました「Martin AudioとErikson Proの素晴らしい技術と論理的サポートのおかげで、我々はタイムリーなスタートを切れました。求められたオーディオシステムの内容は比較的単純でしたが、金具の設置施工とITのインターフェスには大きな課題がありました。

金具に関しては、約110台のスピーカーに対して既存のTVの設置金具を流用していましたが、既存の金具を最大4種の異なる吊り方にマッチするようカスタマイズする必要がありました。」
「ITに関しては、会場の2階層を数百メートルの距離でネットワークの接続をインフラすることが課題でした。これには設備のVLANを利用してHop Pointを作成しpoint-to-point と daisy-chain 接続のDanteネットワークを結びつけながらネットワークが帯域の制限内に収まるようにしました。」

Martin AudioのCDD-LIVE8が選ばれた理由についてSarris氏は「このプロジェクトを提案どおりに進めるには、かなり具体的な基準を満たす必要がありました。スピーカー位置への新しい信号ケーブルの敷設は限られていた一方で、各ユニットを個別で管理する必要がありました。」と述べました。

「近距離から8〜16席をカバーするためには、広くて均一な分散も必要でした。スイートから観戦するファンの興奮を高め、試合会場のPAと上手く調和するスムーズな周波数特性を示す、忠実性の高い製品を求めていました。AllstarのFred MichaelはCDD-LIVE8は全項目をクリアする製品だと評しました。Dante経由のユニットをデイジーチェーンする機能は、インフラの制限を解決するという点で非常に幸運でした。

「最後に、我々は試合会場PAとスイートルームのCDD-LIVE8が合うように調整する時間を設けていました。しかし試合会場のPAにディレイをあわせただけで、全てが上手くまとまって、調整の必要がなかったのは嬉しい驚きでした。」

設備についてMichales氏は次のように結論付けました。「結局アリーナのスタッフとMartin Audio、Erikson Pro、Allstarの協力によるチーム努力の結果だったといえます。皆の努力のおかげで我々は最高の結果を達成できました。システムは私が想像した通りに機能し、これまで主要PAではカバーしきれなかった120室のスイートルームと上級ラウンジエリアに、明瞭で力強い音響サポートを実現できています。」

CDD-LIVE8のパフォーマンスをまとめて、Sarris氏は指摘しました。「現在シーズン中ですが、我々が希望した通りに作動しています。ゲームプレゼンテーションエリアにもいくつかユニットを追加したのでスタッフに尋ねましたが、試合会場の音響改修については良い評価しか聞きません。これは笑い話ですが、ユニットが誤って電源を切られたままにされるまで、シーズンを通してプロジェクトについてのフィードバックは全く受け取っていませんでした。その時点ですぐいくつかが通信していないことに気づくことができたわけです。CDD-LIVE8はスイートルームの顧客やプレミアムシートの顧客に試合中のオーディオの水準を引き上げたのです。」