MLAが活躍し続けるRewind Festival
2009年に始まったRewind Festivalは80年代音楽の祭典で、近年は毎年3つの会場で開催されています。
今年のRewind Scotlandは残念ながら中止になりましたが、Rewind North(マックルズフィールドのカペストホーンホール)とRewind South(ヘンリー郊外のテンプルアイランドメドウズ)は同月中に行われました。このイベントの現在の主催者は、2017年にラジオ会社のGlobalに買収されたレジャー会社Impresario FestivalsのDavid Heartfield氏に戻っています。
このイベントでの音響を長く担当してきたCapital Soundは、Rewind Southにディレイタワー追加したことを除いては、両方の会場に同一のMartin AudioのMLAを投入しました。彼らはRiverside ProductionsのプロダクションマネージャーであるKeith Morris氏とこれまでも様々な現場を共にしてきました。
テムズ川のほとりに位置し、40,000人収容可能なRewind Southは、80年代ポップのオールスターラインナップが特徴で、Jimmy SomervilleのBig Band-tastic BoogieとWet Wet Wetが目玉です。
その他にもMarc Almond、Bananarama,、Billy Ocean, Hue & Cry、The Christiansなど名だたるアーティストが登場します。
Capitalは経験豊富な技術チームを擁します。Mike ‘Bunny’ Warren氏がFOHエンジニア兼スーパーバイザーとしてショーの最大セクションをミックスし、Toby Donovan氏がシステムテックを務めました。
会場自体はフラットで開放的、後部が扇形に広がっており、65メートル地点にある3つのディレイタワーがそのカバレージを確保しました。
CapitalはメインPAに片側15台のMLA+MLDダウンフィルボックスアレイ、アウトフィル用にステージのカミシモに8台のMLAコンパクを配置しました。さらにフロントフィル用として12台のWPSを追加しました。
ローエンドをまかなうのは、ブロードサイド・カーディオイド設定の19台のMLXサブウーファーで、前面を囲うように設置されました。これにより、より多くの制御性が提供できるとCapitalのプロジェクトマネージャー、Martin Connolly氏は言います。「これでIEMを着用している演者にとって、特に不快なステージに流れ出るサブのエネルギーを取り除くことができます。」
ミックスタワー背後の後部付近の観客も、ディレイシステムから完璧なオーディオを聞くことが出来ます。各タワーは5台のMLAと1台のMLDダウンフィルで構成されています。
Martin Audioの製品は乗り込みエンジニアにも非常に人気がありました。その一人がAswadのFOH、Chris Cowlin氏です。「いつも通りRewind SouthのMLAは、私がこれまで出会った中で最もクリアなシステムの1つでした。ショーをやるにあたって無限のヘッドルームと大量のサブ、ハイとミッドは即座に反応し、ミックスを目の前にばっちり持ってきました。」
「システムのカバレージはスムーズで、システムEQをする必要はありませんでした。このシステムをセットアップした人は誰でも最高のパフォーマンスを発揮できます。MLAを年に何度もミックスすることはありませんが、ミックスしたときはいつでも簡単で非常に充実したシステムです。」
Photography by Filiz Moore.