テキサス州ダラスに拠点を置くHighland Park United Methodist教会（HPUMC）が、32,000人収容のスタジアムで大規模なイースター日曜礼拝を開催したいという話になり、Alford Media（Martin Audioユーザー）はいくつかの課題に直面することになりました。

「スタジアムは大学のキャンパス内にあり、Alford Mediaはこれまでに何度も卒業式の際に使用するPAを提供してきました。今回はソーシャルディスタンスを考慮してフィールド内に600脚の椅子が用意されたので、良いPAの提供が重要視されました。」Alford’s AudioのオーディオサービスマネージャーBen MacKinney氏は言います。

Alford Mediaは膨大な量のMartin Audioシステムを所有していますが、MacKinney氏はその中でも最高の2つ（フィールドカバレージ用のWPCと、観覧席とスタンド用のMLA Compact）を組み合わせることにしました。これは約7,000人規模の集会に最も望ましい成果を生みました。Wavefront Precisionシリーズは、Queen’s Award for Enterpriseでイノベーション賞を受賞しています。

もともとAlford Mediaは2014年4月に初めてMLA Compactを導入しました。「他にはないレベルを目指したいと考え、カバレージの調整や変更のしやすさなども踏まえて全主要メーカーのデモを行いました。その中でMartin Audioのテクノロジーは全ての項目で要件を満たしていました。」彼らはWavefront Precision（WPCおよびWPM）を始めとするテクノロジーの進化に興味を持ち、今日では250を超える各種キャビネット（およびCDD-LIVEシリーズ）を導入しています。

FOHエンジニアのEric Faulk氏とシステムエンジニアのRyan Sartell氏がイースターウィークエンドを担当しました。彼らの任務はスタジアムの後方からの大きな反射と、そこから生じるディレイを克服することでした。「PAはフィールド内をカバーするようタワーに吊ったのですが、ソフトウェアにより観客席の反響を軽減することができました。」と技術チームは報告しました。「同様のプランで他ブランドを使用した別のイベントでのスラップバックが酷かったため、これが機能しないのではという意見もありました。そこで音が観客席へ反射するのを防ぐため、Hard Avoidを使用した吊りシステムでやってみることにしたのです。」

Faulk氏がD2で様々なパターンの最適化ファイルを作成し、Sartell氏は「チューニング」することに専念しました。「スタジアムを歩くと、ソフトウェアの内容が実際に確認出来ました。」とSartell氏は述べています。

Eric Faulk氏は湿度での変化を考慮して、さまざまなプリセットで予防策を講じた方法について説明しました。「FOHではこの変化に気づけません。この会場でPAタワーを使用したのは初めてですが、状況に応じて最適なSPLを変更できる余裕（ヘッドルーム）が少しできました。これはとても素晴らしいことです。」

Alford MediaはiKON iK42アンプから単独駆動レゾリューションでドライブする16本のWPCをPAタワーカミシモに設置しました。礼拝の内容には合唱団、オーケストラ、スピーチを含みます。最小限のローエンド拡張のみが必要でしたが、12台のMLXサブウーファーをカーディオイドセットアップで展開しました。8台のCDD-LIVE8と2台のCDD-LIVE12がアウトサイドのフロントフィルに追加され、さらに6台のCDD-LIVE12が合唱団用のフィルに使用されました。「観客、バンド、合唱団からサウンドの素晴らしさについて多くのコメントがありました。」とFaulk氏とSartell氏は言います。

MLA Compactは、各サイドラインに3スタック、エンドゾーンに3スタック、フィールド全体で各6本スタック9セットが設置されました。

iKONアンプについてBen MacKinney氏は述べています。「1ボックスレゾリューションのおかげとまでは言いませんが、全パフォーマンスが期待通りでした。スタジアムのデザインとステージのレイアウトで色々な課題がありましたが、Martin Audioが提供してくれたツールにより成功することができました。HPUMCはイースター礼拝中のカバレージと音質に非常に満足していました。システムは思った通りに機能し、その結果、顧客の満足度を上げることが出来ました。」