Brighton & Hove PrideでWPLが幸先の良いデビューを果たす
ブライトンのLGBTQ+コミュニティを祝うBrighton & Hove Prideは地方自治体に強く支持されており、毎年約250,000人の人々が海辺のリゾートに集まります。
Capital Sound(Solotech UK Groupの一部)は1973年始まったこのイベントのメインステージに過去3回音響設備を提供してきました。過去のステージではBritney SpearsとKylie MinogueのPAとコントロールを担当しました。イベントはその後コロナの影響を受けて数年中止が続きましたが、遂に今年、土曜日と日曜日の注目アーティストにChristina AguileraとPaloma Faithを迎えてPreston Parkに戻ってきました。
Capital Sound は2018年のBritney SpearsへのMLA提供を最後に、パンデミックによる休業を余儀なくされました。その期間を利用して画期的な制御技術をさらに進化させ、新たにWPLシステムを導入し、イギリスの夏のメインイベントであるGlastonburyとBST Hyde Parkフェスティバルで大きな成果を残しました。
Wilde Ones International EventsのプロダクションマネージャーDean Parker氏と協力し、メインアレイに片側18台のWPL、ステージ下手サイドに6台のWPCを設置、ステージ上手サイドには12台のWPCという音響デザインを採用しました。
ステージ前方用のフィルには8台のWPSと、低域をカバーする超強力な2×18インチのSXHF218 サブウーファー20台をキャステレーション・カーディオイド・ブロードサイド仕様(城壁積み)で配置しました。
更にステージモニターには16台のLE1500と4台のSXHF218、6台のTORUS T1215が配備されました。
ステージから70メートル後方に設置された3つのディレイタワーも活躍しました。これらは3つのエリアに向けて合計24台のWPSに加え、各タワー3台ずつのSXHF218で構成されています。後部の遊園地内にあるメリーゴーランドがこのエリアと背後のダンステントとの間のよい緩衝となるため、これで観客エリア内のサウンドを抑える作戦でした。
SolotechはF1 AcousticsのRobert Miller氏と協力して会場内外両方の音響基準値を遵守し、オーディオクルーチーフ兼システムテックのJoseph Pearce氏とFOHテックのAlistair Hellard氏がDISPLAYソフトウェアでサウンドを最適化しました。
GlastonburyのPyramidステージの同様の環境下でWPLを使用した経験がありましたが、Miller氏は概念実証を確立するために事前にシミュレーションも実施していました。結果、MLAからのアップグレードに何の不安も持っていなかったと言います。
今回の導入についてSolotechのシニアプロジェクトマネージャーMartin Connolly氏は次のように述べています。「2019年にKylie Minogueのサウンドエンジニアの要請で代替システムを提供したので、このようなデリケートな会場にどのメーカーが適しているか分かっていました。実際にはMLAよりもWPLの方が優れた数値を達成することができました!」
「私がDean Parker氏にHyde ParkとGlastonburyの両方でWPLが優れた結果を出したことを説明すると、彼は喜んでWPLを採用してくれました。」
この規模のイベントで全てWavefront Precisionを使用したのはJoseph Pearce氏にとって初めての経験でした。「非常に上手くいきました。会場外の騒音レベルを下げるために使用するソフトウェアベースの技術はMLAで使用するものと同じです。Capital SoundがHyde ParkのBSTなどのイベントで長年に培った全技術はPreston ParkのWPLやWPCにも活用できています。」
ステージ下手は住居や店舗に近くいため特に騒音気を付けなくてはいけないエリアで、日中はサイドアレイとディレイアレイの両方のレベルを一定に調整する必要がありました。「さらに会場全体の戦略として、すべての吊りスピーカーにDISPLAY2のHard Avoid機能を利用しました。これにより、カバレージエリアとノンカバレージエリアの両方が明確に定義され、観客エリアの端にある飲食店や建物からの不要な反響を減らすことができました。」
テストの後、Pearce氏とMiller氏は起こりうる苦情を未然に防ぐため、夜にシステムを最大レベルにするように、先に低いSPLレベルで始めることに同意しました。「Brightonのように人口密度の高い場所で100dB LAeq15以上を達成できれば、私はもちろん、サウンドエンジニアも満足することは明らかです。」
Robert Miller氏もこのシステムを称賛しました。「WPLのパフォーマンスと設定可能なオプションにより、会場外の音楽ノイズレベルに合わせたシステム調整をするための時間を減らし、全ステージに優れたサウンドレベルを提供することに多くの時間を費やすことができるようになりました。WPLとCapital Soundによる専門的な設置と管理により、会場外のサウンドノイズレベルが常に制御されている状態を維持できました。」
毎年約2,000万ポンドの経済効果を生み出すこのイベントは、再び成功を収めました。