SWG EVENTSがウェンブリーOVOアリーナの象徴的なイベントにてフラッグシップ・ラインアレイを使用
25周年を迎えたMOBO賞は協会にとっての記念であっただけでなく、このイベントに初めてPAを出すこととなったSWG Eventsにとっても象徴的な機会となりました。
これはこの制作会社とって最初のウェンブリーOVOアリーナでのイベント実施であり、新しいMartin Audio Wavefront Precision WPLラインアレイシステムを出動させる好機でありました。
「これは我が社の歴史において大きなチャンスであり象徴的な出来事でした。」SWGの音響リーダーSimon Purse氏は語ります。「我々がWPLを購入したことが新しいマーケットへ踏み出すきっかけになり、新しいシステムは我々の技術力と相まって、SWG eventsを新しい分野へ導いたのです。」
MOBOの制作ディレクター、Marvellous IncのRob Smalldon氏は長くこのイベントにかかわっており、彼のおかげでこの機会がもたらされました。Purse氏は精鋭をかき集め、この機会に臨みました。Martin AudioのアンバサダーであるSimon Honywill氏をFOHにアサインし、乗り込みエンジニアの対応に臨みました。
Simon Purse氏がこの12500人キャパのOVOアリーナの下見をして、CAD図を得るとすぐに、追加の測量なくプランができるようになりました。SWGはアンプのコンフィグレーションをオフラインで行い、IPアドレスを設定され、DSPセッティングを事前に行っていたため、現地で簡単にファイル転送できました。「つまりセッティングがすごく早かったということです。」
もちろんテレビ放送がからむ、多出演のショーはPAカンパニーにとって簡単なものではありません。そして今回もそうでした。見切れは常に気にしなければならないし、スピーカーは目立たず、カメラの角度を遮らないことが求められました。
16本のWPLが2キャビネット・レゾリューション(2パラ)でステレオで設置され、これらはMartin Audioの4チャンネルアンプiK42で駆動されました。「エリアカバーは完璧以上のものでした。」Purse氏は言います。もう2アレイ、WPS 6本で構成されたリグがアウトフィルを構成しました。これらもiK42で駆動。4本のW8LMでフロントフィルを構築。これらはカメラを妨げないように特製のカバーをかけられてステージレベルに合わせて設置されました。
サブウーファーは18本のSXH218が、3本ずつ6か所に設置され、エンドファイアを構築しました。ステージ下に隠したことで、これらは「見た目以上にすごくいいカバレージと、強いインパクトが生まれました。」とPurse氏は続けます。このアプローチはカメラの見切れという要素以外にも、けた違いに大きいモニター環境にも起因します。何しろ出演アーティストが多いですから。ステージセットにはセンターにランウェイが設けられ、カミシモの花道も大規模なものでした。下手に司会者やプレゼンター、上手にアーティストといったかたちです。
ステージ上のエネルギーをうまくコントロールするために、特にダンサーチームに、SWGはMartin Audioの新型TORUS 15°バージョンT1215を3本ずつ、ステージサイドの両側に設置しました。さらにSWGは中継車にも分岐回線を送りました。
今年のセレモニーはホストをChunkzとYung Fillyが担当。ライブアーティストにはKojey Radical、Cat Burns、Flo、Fireboy DMLなどなどが出演。
Nile Rodgers、Craig David、Little Simzが出演し、Jamal Edwardsがトリビュートされました。
Simon Purseは彼のチームを称賛しました。自社のクルー、Joe Bailey氏、Fraser Wilks氏、Dan Jenkins氏、Mark Bott氏だけでなく、RF管理、プレイバック、中継車管理、連絡回線、パッチ管理はIan WilliamsとWill Fisher氏が担当しました。
しかし特にFOHのSimon Honywill氏とモニターのMark Sunderland氏には特別な思いがあります。「チーム全員頑張った!」Purse氏はイベントに満足しながら言います。
Rob Smalldon氏も同意します。「このレベルの複雑なイベントではショーを理解し、信頼できる誰かが必要で、様々な要素にソリューションをスムーズに出せることが求められます。彼らの選択は全てパーフェクトで、それゆえショーはうまくいきました。」
Photo credit: Filiz Moore