CUPOJOYがMARTIN AUDIO WPSを固定設備として導入
CCCPがGreen Bay music venueの音響映像改修を実施しました。
設立から約33年、ウィスコンシン州グリーンベイにある550席のCupOJoyは歴史ある音楽会場でありますが、初めてとなる固定設備としての音響システムを導入。2年前に移設された2つの会場にわたる大規模な施工となりました。
地元のSI会社CCCPによって設計されたAV設備の中核をなすのがMartin Audio最新鋭のWavefront Precision WPSラインアレイで、他の有名ブランドも含めた様々な選択肢の中から注意深く選定されました。
設備は“music that inspires”というスローガンのもと、皆に親しみやすい会場である必然性があり、ボランティアによる非営利運営組織であるため、2年間のファンディングを経て、投資額を積み上げたものです。当然オペレーターや募金者にとって満足されるものでなければならず、そしてWPSが導入されたわけです。
CupOJoyの技術責任者Mark Berg氏が言います。「お披露目イベント前に初めてシステムを立ち上げたとき、その音の良さに驚いた。同僚のJan Oettingerは涙が出たと言っていたよ。2日後のコンサートの後、何人かの人が来て、その中には募金者もいて、音が素晴らしかったと言ってくれた。」
これがメインスペースに対して初めての常設設備だったため、部屋とサイズの関係から、会場にとって大きな変化だったとOettinger氏は言います。
この導入に至る経緯を振り返り、実はベンダーには3社の候補があったということです。
「各社の異なるプロポーザルを比較したとき、納期の便宜性、ライダーへの親和性、費用対効果の合理性をMartin Audioに感じました。」
CCCPは他社よりも正直だったと言います。「そして明快に説明してくれた。彼らはWPMが導入されている別な会場に連れて行ってくれて、音を聴くこともできた。」そして受注に至ったわけです。
CCCPは過去には数回Martin Audioのポイントソーススピーカーを施工したことがあり、その後WPMを施工したのがMartin Audioラインアレイシステムを使った最初の事案でした。彼らは他のスピーカーブランドも選択肢として提案していましたが、オペレーター陣に迷いはありませんでした。「私たちは独自の調査を行いました。オンラインで、また知り合いのFOHエンジニアに聞いたりもしました。そしてたくさんのポジティブなコメントをいただいたのです。」CupOJoyの創業当初からいるJan Oettinger氏が言います。
「ここでツアーのアーティストが持ち込むほかのサウンドシステムを経験しても、Martin Audioの音がこれまで聞いた中で一番優れていたと感じていました。」
CCCPのSteve Littlepage氏は技術部のリーダーでありシステムデザイナーです。彼がWPSアレイが片側7キャビネットであること、シングルレゾリューション駆動であること、それを鳴らしているのがiKON iK81アンプであること(ch8はフロントフィルDD6を鳴らすために使用)などを説明しました。これらはステージ框にセットされたり、センター花道ができる場合は移動したり、プリセットを切り替えることで対応しています。4台のSX218サブウーファーはiK42で駆動され、メインアレイと並べて吊られエンドファイアを構成しています。
Mark Berg氏は多チャンネルDSPアンプiKONを使う利点をこう指摘します。「たった3台のアンプでシステム全体をまかなえるのです。検討していたほかのシステムではもっと必要なものがあった。これはセールスポイントのひとつと言えるのではないでしょうか。」
この世界的な供給難の中で、これらの製品はオープニングコンサートに間に合いました。Littlepage氏はMartin AudioのMartha Callaghanの努力についてこう語ります。「彼女はすごい。我々の想像の上を行って、すべてを間に合うようにしてくれた。」
システムセットアップ時のオプティマイゼーションについて、CCCPのエンジニアはDisplay2、Display3を使うことで大変簡単にできたと言います。これはEASEでも行われ、Martin Audioのモデリングと完全に一致したからです。
要望のひとつとしてCCCPは新しいプロジェクター、スクリーン、カメラなども導入しました。また持ち込みの機材がハウスシステムにパッチできつつ、その監視と制御ができるインフラも構築しました。最終的にこれはCupOJoyの小さい200キャパの会場にもつながり、そこにも適切なPAが設置されることになります。Q-SYSのバックボーンによってフレキシブルなシステム構築がなされ、タッチパネルやiPadの操作で、コンサート用の「Performance mode」、式典用の 「Presentation mode」などが選択できるようになっています。
この設備を振り返りMark Berg氏は次のように締めくくります。「皆聴いた人は気に入ってくれます。これに魅かれない人は想像できないよ。」
Jan Oettinger氏も念押しします。「新しいサウンドシステムは新しい世界を広げてくれました。我々の企画にも大きな違いをもたらします。これからはもっと大きい催しを。興行者が一歩会場に足を踏み入れたら、機材はトラックに積んだままでいいと気づくはず!」
Photo credit: Scott Eastman (Great Scott Images).