Martin Audio Japan

ニュースリリース
News Release
2017年3月27日

オーケストラから大砲までMLAコンパクトでなければならない理由

イギリスのマーチンオーディオ本社と長年にわたり友好な協力関係にある、音響会社のRGジョーンズ社は、先日ロンドンにあるロイヤルアルバートホールで行われた「クラシック・スペクタキュラー」において、またしても素晴らしいサウンドを提供しました。今回はメインにはMLA、サイドフィルにはMLAコンパクトを使用いたしました。

MLAが同じくマーチンオーディオ社のアレイスピーカー、W8ロングボウにとって代わって採用されたのは2011年11月のことで、この時のオペはこのイベントのFOHをかねてから担当しているサイモン・ハニーウィル氏(マーチンオーディオ社のアンバサダーでもある)でした。

「サイモンは熱心にMLAを勧め、その魅力を紹介していました。そんな彼とRGジョーンズのメンバーと一緒にMLAの基礎づくりの頃から一緒に参加できて、僕はとても幸運です。」そう語るのは2年前にサイモン氏からミキシングのポジションを引き継いだフィル・ライト氏です(コンソールはDiGiCo SD7を使用)。サイモン氏のそばには、システムテックのリューク・マーフィー氏、セットアップのサポートにRGジョーンズのプロジェクト・マネージャーを務めるマット・サセックス氏らもいました。

今回オペを担当したフィル氏は、ロイヤルアルバートホールのサウンドはマーチン社の素晴らしい製品とそれに伴う支援により、日々とてもよくなっているのを感じていましたが、今回はMLAコンパクトがマーチン社の伝統的なラインアレイスピーカーであるW8LCとW8LMにとって代わる、大きな変化のタイミングであるということを確信していました。

「MLAによって飛躍的にサウンドはよくなったけれども、ステージ上のレベルにはまだ問題があって、オーケストラの奏者たちはバランスを取るのに苦労していました。」フィル氏の言葉を続けます。
「MLAコンパクトを使うというのは、ステージ上へのかぶりをこれまで以上に減らすことを意味していて、オーケストラは全く邪魔をされずにライブ演奏ができる状態になったのです。我々は全てのレンジでハイパスを40Hzから30Hzに下げて、1組のMLXサブウーファーをステージ下に音響効果用にセットしただけでした。」

マット氏との調整を経て音響チームでは、MLAのハードアボイド機能を使ってステージ上のレベルを6-8dB下げることにしました。これで300〜400Hzにあるちょっといやな感じを除去することができました。サウンドシステムはより安定し、高度な明瞭度をMLAで270°というカバレッジで得ることができたのです。

マット氏とフィル氏はMLAコンパクトを通常の±3dB偏差から前側+1後ろ側0の値でオプティマイゼーションをしました。「MLAがある今、過去のやり方に戻るということは考えられません。これほどまでに違いがあるのですから。そしてその違いが意味するところは深いでしょう」そうマット氏は認めています。

PAデザイン自体はカミシモ16本ずつのMLAとアウトフィル用に12本ずつのMLAコンパクト(ステージ下の2つのサブウーファーと共に)が基本になっています。合唱団のフォローのためには別のシステムが用意されました。6台のDD6はリップフィルとして用いられ、音像を下げるために客席前方に設置され、他のDD6はアリーナ席やオルガン奏者の席などを狙いました。

今年のショーのメインはロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と王立合唱協会の合唱で、フィル氏はチャイコフスキー作曲の「序曲1812年」における大砲の効果音を、特効のプロ、リンコン・パークハウスによって提供された特注電磁波コントロールされたシステムを実施し、ショーを盛り上げました。

最後に、フィル氏は今回のショーの成功について次のように語っています。「私は完全にMLAに転向しました。これまでは『他のシステム』と一緒だったけれど、サイモン・ハニーウィル氏にMLAを聞くように頼まれて、それからというもの、すっかり気に入ってしまって、すぐに愛用するようになりました。もはや、円形ステージを囲む360°の全方位に対して同一の迫力と音量をアリーナ席と同様に鳴らせることは保証できます。90台半ばのSPLを同じサウンドでどこへでも提供するのがこのシステムなら、とてもうまくいくのです。更にオーケストラの邪魔をしないという大きなおまけもついています。」

続いて、リューク氏は合唱団の調和についてもコメントを添えてくれました。「私がこのシステムの何が好きかというと、そのフェーダーリニアなところです。通常、円形の劇場では非常に難しいのですが、MLAはそれを可能にしてくれて、私のお気に入りのシステムになりました」

大変好評を博したクラシカル・スペクタキュラーは今年の11月にまたロイヤルアルバートホールで開催が予定されています。その時は、マーチンオーディオ社のMLAファミリーの3番目、MLAミニも合唱団のアリーナ席用のシステムとして設置が予定されています。これは、世界で初めてMLAの3つのシステムが同じイベントで同時に使われる機会となるでしょう。どうぞご期待下さい。

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