Martin Audio Japan

ニュースリリース
News Release
2020年7月13日

サンダンス映画祭に向けMARCシアターがWPCを導入

ソルトレイクシティのMARCシアターは2012年に大規模な改修を行い、従来の屋内スポーツ施設から、564席のハイクラスな映画館になったことで、世界的に有名なサンダンス映画祭の会場としてすぐに定着しました。

ユタ州により多くの映画製作会社を呼び込むため、1981年に俳優のロバート・レッドフォードによって設立されたSundance Instituteは、その10年後に旧来アメリカ映画祭として知られたイベントをサンダンス映画祭へと正式に改名しました。これは映画「明日に向かって撃て!」でロバート・レッドフォードが演じた役名Sundance Kidにちなんだものです。

長年にわたりSundanceのテクニカルクルーのメンバーであるDan Beedy氏は、2013年にテクニカルプロジェクトマネージャーに就任。過去3年間、イベントの音響設備のアップグレードに焦点を当て、オーディオの分野がデジタルプロジェクションによる映像技術の飛躍と比べて、どれほど遅れているかを指摘しました。これにより、最新のMartin Audio WPCラインアレイが7.1システムの中心として採用されることになったのです。

「我々は音響システムが90年代からアップグレードされていないことに気づきました」と彼は言及しました。その頃Dolby Atmosを導入しているところもありましたが、数多くの著名なフェスのプレミアを主催するMARCシアターはその類ではありませんでした。「サンダンスは常に映画を高水準で上映することに焦点をあてていたので、音響をそのスペックに合わせることができるパートナーを見つける必要がありました。」と彼は語ります。Enter Production Project Manager兼Blue Water TechnologiesのシニアオーディオエンジニアBen VanDonkelaar氏と、Martin Audioの北東部地域担当セールスマネージャーMartha Callaghaがシステムの設計と仕様化を手がけました。

Beedy氏とVanDonkelaar氏は長い間協力関係にありました(特にTraverse City映画祭で)。「サンダンスが新しいパートナーを探していた時、私はBluewaterのBenを参加させるように提案しました。私たちは会場がどのように設定され、目標が何であるかについて効率的な方法を知っていました。Benのチームはリグのフライングを、私のチームは音響調整を担当しました。」

7.1システムは、L/センター/R/Lサラウンド/Rサラウンド/Lリア/Rリアとサブウーファーで構成されています。「L/センター/Rチャンネルに各6本のWPCアレイを、これらの各アレイにはそれぞれに低域周波数拡張用のSXH218を使用しました。」と彼は説明します。別のSXH218が専用サブウーファーに、さらに12台のCDD-Live12がLサラウンド、Rサラウンド、Lリア、Rリアに使用されました。

WPCアレイは2BOXレゾリューションで最適化され、3台のiK42マルチチャネルアンプが入った2基のラックによって駆動されました。Martin Audio製品サポートエンジニアのJoe Limaは次のように述べました。「Dolbyの標準カーブとSPLカバレージを満たすには、8時間連続のピンクノイズと、すべての要素に調整できる独立したマルチバンドPEQが必要でした。かなりのチャレンジだったと言えます。」

Dan Beedy氏が説明したように、この設備はサンダンスにおける初のMartin Audioの採用でした。彼はもともと音響的に難しい会場で知られるボストンのICAの音響改修中にBen VanDonkelaar氏からMartha Callaghanを紹介されました。「彼女は、そこで見事に機能したMartin AudioのO-Lineを紹介してくれました。そこで我々はサンダンスへの参加について話し始めました。それがMARCのシステムが生まれたきっかけです。」

Beedy氏には、ブランドに自信を持つあらゆる理由がありました。「私は多くのライブシネマプレミアでMartin Audio製品を使用してきました。通常のシネマ用スピーカーはプレミアルームのようなより厳しい仕様を満たすようには設計されていません。典型的な映画館は前後の偏差±10dBですが、プレミアを設計するときは、すべての座席が同じようなオーディオ体験を得られるように前後の偏差を±1dBに設計します。シネマ用スピーカーはそのような仕様を満たすようには設計されていないため、ライブイベント用スピーカーシステムを使用することにしました。」

Ben VanDonkelaar氏に加えて、チューニングサポートをしたJoe Lima、イギリスのオフィスからはSimon Purseが設計を支援しました。「私たちは実際にスピーカーに何が出来るかに焦点を当てていました。そしてそれを達成するためにいくつかソフトウェアのロックを解除するための手助けが必要でした」とBeedy氏は明らかにします。「総合的に見てMartin Audioシステムは映画祭の期待に応えるものでした。」

長きに渡り問題を抱えていた会場の課題が終焉を迎えます。「会場が最初にできた時、今とはまるで逆でした。」と彼は説明します。「当時の技術チームと映画祭は、会場の音響についてかなりクレームを受けていました。当時は従来の映画用設備を使用しており、最適とは言えませんでした。」彼らは部屋の向きを横使いに変更して実験したりもしましたが、現在は元の使い方に戻っています。「戻して良かった。以前使用されていた伝統的な映画用スピーカーでは結局目的に合致していなかったんだよ。」

実際、Beedy氏もSundance InstituteのテクニカルディレクターであるHolden Payne氏も、WPCのようなハイクラスな機材を使えば、スペースを再考することができると考えていました。「部屋を元の向きに戻すことができれば、音質が著しく向上するだけでなく、座席数を確保または増設できるとフェスティバルの経営陣を説得しました。」反対もありましたが、同意を得ることが出来たのです。

これまでの音響の問題はすべて解決。Ben VanDonkelaar氏、Mark Cheney氏、Don Rykse氏らの努力によって、今年のイベントは大成功を収めました。「Martin Audioの助けを借りて、成果を得ることが出来ました。音響に関しては多くの賛辞が寄せられ、室内の音の良さに誰もが圧倒されました。部屋の前後±3 dBまで到達でき、Martin Audioの製品についても多くの知識を得ることができました。」とDan Beedy氏は結論付けました。

「来年は、前後±1dBを目指します!」

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